サージング解析プログラムの挙動解明(2)
解析条件
解析パラメータを下表に示す。 変化させているパラメータは、制水口径および遮断時間でる。
項目 | 採用値 |
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解析条件 | 負荷遮断 |
シャフト内径(断面積) | D=10.0 m (F=78.5 m2) |
ポート内径(断面積) | Dp=2.0, 3.0, 4.0, 8.0m (Fp=3.14, 7.065, 12.56, 50.24 m2) |
ポート流量係数 | Cd=0.9 |
圧力トンネル延長 | L=2553.370 m |
圧力トンネル内径(断面積) | d0=8.2 m (f=52.783 m2) |
圧力トンネル損失係数 | c=0.179 |
初期流量=>遮断時流量 | Q=340 m3/s => 0 m3/s |
遮断時間(線形遮断) | t=0.1 〜 1000 sec |
貯水池水位 | EL.1100 |
サージタンク頂部標高 | EL.1200 |
サージタンク底部標高 | EL.1000 |
解析結果
下図中、Tは以下で表される自由サージの周期であり、参考のため、自由サージ周期の1/4 (T/4) を一点鎖線で記載してある。
最高上昇水位および制水口抵抗最大値
上図から以下のことがわかる。
- 遮断時間を増加させていくと、最高上昇水位は増加していき、ある遮断時間を超えると、最高上昇水位は減少する。
- この傾向は、制水口径が大きくなってもあるが、制水口径が大きいほど、遮断時間が小さい場合(ここでは0.1秒)に対する水位上昇量は小さくなる。
- 制水口の最大抵抗は、遮断時間が小さい間は遮断完了時に発生するが、制水口最大抵抗が発生する時刻は、社団時間が大きくなってくと、自由サージ周期の1/4時間周辺で頭打ちとなる。
水面変動時刻歴
制水口径Dp=2.0m | 制水口径Dp=3.0m |
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制水口径Dp=4.0m | 制水口径Dp=8.0m |
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上図からわかるように、社団時間が150病を超えてくると、水位が調整池水位より高いところで2山を持つようになり、社団時間が200秒となると、2山目の水位が最高水位となる。
コメント
- 計算結果によれば、制水口型サージタンクの場合、遮断時間が長くなるにつれて最高上昇水位が高くなる傾向にあり、ある遮断時間を超えると最高上昇水位は減少していくことが確認できた。
- これが実現象を正しく表しているかについて、明言はできないが、解析結果のプロットは不自然とはいえず、あり得るものと考えたほうがよいと考える。
- この現象を確認するには、実験によることが好ましいと考える。
- この現象の原因については不明であるが、制水口抵抗は遮断時間が大きくなるにつれて単調に減少していくため、制水口抵抗と水面を押し上げる力のバランスによりこのような現象が出ている可能性がある。
以 上